ESGのSocial(社会)とは?アプローチ事例をまとめて紹介

Social(社会)
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企業経営に取り組んでいる方や投資家の方は、近年ESGに取り組むことの重要性が高まっているのを感じているのではないでしょうか。

今回はESGをなす3つの要素のうち、 S(Social)に当たる社会を意識した経営について、それが重要な理由や、実際の企業の取り組み事例をお話ししていきます。

ESGとは?

Socialにアプローチする取り組みについて知る前に、まずはESGの意味を理解しておきましょう。

ESGとは、三つの単語「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字をとってできた言葉です。

これらの3ポイントを意識した経営をする「ESG経営」、ESG経営をしている企業に投資する「ESG投資」などの文脈で使われます。

まずESGについてもっと詳しく知りたい、ESG経営が注目される理由が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

ESGのS(社会)に取り組むとは?

ESGのS(Social:社会)に取り組む経営と聞いても、イメージが湧きにくい方も多いのではないでしょうか。

GRIスタンダードによると、ESGの「S(社会)」の要素は以下の五つであるとされています。

  • 労働者に関する雇用や労使関係
  • サプライチェーンなどの人権リスク
  • 製品責任などの消費者課題
  • 地域社会との関わり
  • 公正な事業慣行やコンプライアンス

社会に取り組むとは、すなわち自社の活動でこれらの社会問題を助長しないようにすることです。

企業活動の裏では大小様々な社会問題が発生しています。不当な条件の労働者雇用、男女で不平等な雇用機会、不良品による消費者の健康・安全への危害など、挙げだすとキリがありません。

直接的でなくても、人権を無視した児童労働から生まれる原料を用いて製品を作る、といった活動も間接的に社会問題に加担しているといえます。

ESGにおける社会に取り組むとは、自社の活動で生み出されるこれらの社会問題を抑制するために、会社の取り組みを見直すことを指します。

具体的には、以下のような活動が挙げられます。

  • 労働条件の透明化
  • 人権を侵害する雇用に関わる製造工程の見直し
  • 商品の安全基準の厳格化
  • 女性役員比率の上昇、外国人労働者比率の上昇
  • 地域活性化への資金援助

Sに取り組んでいる企業の事例

ESGに取り組んでいる企業はたくさんあります。今回はその中でもS(社会)への取り組みに力を入れる企業の事例をいくつか紹介します。

セブン銀行

セブン&アイホールディングスの子会社であるセブン銀行は、 ESGに積極的に取り組む企業の一つです。具体的には以下のような活動をしております。

  • 外国人に向けたATMの多言語対応
  • 障害者に向けたATMの音声ガイダンスサービスの開始
  • 従業員による地域イベントでの読み聞かせの実施
  • 自然災害で被災した方々を支援する募金活動

キャノン

キャノンはカメラをはじめとする映像機器、プリンタなどの事務機器、デジタルマルチメディア機器などを製造する大手電気機器メーカーです。

「人権と労働」「製品責任」「社会貢献」に対して、それぞれ取り組みをホームページに公表しています。具体例としては以下の通りです。

  • 女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」の実施
  • 会社独自の製品安全基準の設定
  • 労働環境に関する意識調査の実施
  • 東南アジアを中心とした社会貢献プログラムの実施

森永製菓

日本の大手お菓子メーカーである森永製菓は、使用したエネルギーや資源などを項目別にまとめた「ESGデータ」を公式ホームページ上で公開しています。

Socialに関する取り組みとしては、以下が挙げられます。

  • 女性管理職比率の公表とその増加
  • 社員の健康を管理するCHO(Chief Health Officer)の設置

特に労働者の健康への取り組みには力を入れており、2018年から2020年の間、3年連続で「健康経営優良法人」の大規模法人部門(ホワイト500)に認定されています。

社会を意識した経営で取り組む余地はたくさんある

ここまでESGに積極的に取り組む企業を中心に紹介をしてきましたが、社会全体ではまだ具体的な取り組みまでできていない企業も多く、情報開示すらできていない企業もあります。

ESGにおいて先行して取り組む企業になることで、安定した持続成長で優良企業になれるような経営をしていきましょう。

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