GPIFとは?ESGが日本に浸透するきっかけとなったPRI署名を解説

ESG投資
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2015年にGPIFが日本で初めて国連のPRI(責任投資原則)に署名し、話題となりました。この出来事は日本にESGやESG投資という概念が広まることになった大きな理由の一つです。

今回はそのGPIFとは何か、GPIFの署名によってESG投資が日本に浸透するようになった理由についてご紹介します。

GPIFとは?

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GPIFとはGovernment Pension Investment Fundの略で、年金積立金管理運用独立行政法人のことです。年金保険料として集められた公的年金積立金の管理・運用を行っており、その運用収益を年金給付の原資としています。

GPIFが運用する年金マネーは150兆円以上にのぼり、世界でも有数の規模となっています。

その規模感からGPIFの行動が株式市場に与える影響は大きく、市場関係者からは常に動向が注目され流ファンドとなっています。

GPIFの運用方針

 GPIFの運用の基本方針は、以下のようになっています。

  • 分散投資を基本とし、長期的な観点からの資産構成割合(基本ポートフォリオ)に基づいて運用すること
  • 各資産毎のベンチマーク(ex. 国内株式ならTOPIX)収益率を確保すること

GPIFは公的年金という性質上長期的に安全なリターンを出す必要があるため、リスクの低い基本ポートフォリオを以下のような比率に定め、この比率に沿って運用を行っています。

  • 国内債券35%
  • 国内株式25%
  • 外国債券15%
  • 外国株式25%

また、GPIFは2017年に国内株式運用の一環としてESG投資を開始しています。

日本にESGの概念を持ち込んだのはGPIF?

近年投資市場で投資判断に用いられるようになった、環境・社会・ガバナンスの3つの項目からなる「ESG」という言葉がありますが、GPIFはESGという概念が日本に浸透するきっかけを作ったと言われています。

ESGが概念として登場したのは国連が2006年に提唱したPRI(責任投資原則)ですが、 2015年にGPIFはこの投資原則に日本の機関投資家では初めて署名しています。

またGPIFは自身の署名を皮切りに、ESGに関連する様々な国際的イニシアチブにも参加しています。

日本最大のファンドであるGPIFがこのようにPRIに署名し積極的にESG活用の姿勢を見せたことで、日本の機関投資家がGPIFに続々と署名する流れができました。PRIに現在署名している日本の機関数は、(2020年11月2日現在)87社にのぼり、総運用資産に占めるESG資産の割合は2018年時点で18%にものぼります。

ESGについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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