都道府県幸福度ランキング2020!1位から最下位・項目別順位まで紹介

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都道府県幸福度ランキングとは?

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都道府県幸福度ランキングとは、各都道府県の住民にアンケートを実施し、アンケートを元に算出される幸福度の平均を都道府県別に算出し、その数値をランキングにしたものです。

近年SDGsが目標として据えられ、持続可能な経済圏を創るための地方創生が注目されています。そこで地方創生を考えていく上で必要な住民視点の地域課題の明確化を目的として、様々な項目に対しての幸福度を測定する調査が行われるようになりました。

都道府県幸福度ランキングには二種類ある?

一般に言われる都道府県幸福度ランキングには、2種類存在します。

一つ目は、日本総合研究所が発表している「都道府県幸福度ランキング」です。地域社会に生きる人々の幸福を考えるきっかけをつくることを目指して、2012年から、2014、2016、2018年と2年ごとに調査結果が発表されています。この調査は75の指標を用いて多角的に算出されたランキングとなっています。

二つ目は、株式会社ブランド総合研究所が実施している住民アンケートによる幸福度ランキングです。

このランキングはブランド総合研究所が2020年6月に行った『都道府県SDGs調査2020』によるもので、幸福度合いを4段階で回答してもらい、それを100点満点で評価したシンプルなものです。アンケートはインターネット上で実施され、各都道府県から350のサンプルを回収しています。

日本総合研究所が出してる都道府県幸福度ランキング

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まず、日本総合研究所が出している都道府県幸福度ランキングをご紹介します。

評価基準

この調査では、以下の指標を用いて各都道府県の評価を行っています。

  • 地域の社会的状況や構造を示す5つの基本指標
  • 人々の幸福感を具体的に評価する尺度として「健康」「文化」「仕事」「生活」「教育」の5分野、合計で50の指標
  • 上記にさらに追加指標を加える

これら合計75指標を総合して都道府県別の幸福度ランキングを算出しており、また各分野ごとのランキングも算出しています。

都道府県幸福度ランキング一覧

以下が日本総合研究所が算出した「都道府県幸福度ランキング」です。なお、各ランキングにおいて上位5位いないの都道府県には黄色マーカーがついています。

総合ランキング都道府県基本指標(分野別)
健康
(分野別)
文化
(分野別)
仕事
(分野別)
生活
(分野別)
教育
1福井県201438141
2富山県21514312
3東京都171133510
4石川県2485784
5長野県821391222
6滋賀県44661043
7山梨県2914392120
8山形県2303615621
9埼玉県23313161714
10鳥取県3025391826
11島根県518374341
12愛知県3201221136
13岐阜県2591822519
14茨城県22132919183
15三重県17322141340
16京都府4226228339
17佐賀県133844111625
18新潟県16422426718
19山口県3539198912
20静岡県181042212335
21神奈川県9211751537
22香川県342935382213
23岡山県413310121932
24群馬県2864124258
25栃木県111232291431
26大分県271516233246
27秋田県7353143285
28千葉県141715172634
29熊本県263240332439
30広島県404427312023
31鹿児島県383626354317
32岩手県424145203130
33愛媛県26372527367
34奈良県342420362728
35兵庫県23239342933
36北海道45457453926
37徳島県192234104229
38宮城県331628413045
39福島県442833323744
40宮崎県391946253427
41和歌山県312723304615
42福岡県214611403824
43長崎県414043374116
44青森県474347424511
45沖縄県461121474747
46大阪府32348464042
47高知県434730444438

最新の2020年版で47都道府県のトップに立ったのは福井県でした。2014年版から数えて、4回連続の首位となっています。

福井県は「仕事」と「教育」において2012年から首位を守り続けていることが首位キープの理由となっており、特に教育では他を大きく引き離した高得点を獲得しています。

一方で前回調査の時と比較するとトップと2位の差は縮まっており、今回の調査で福井県を猛追しているのが富山県になります。2012年版から5年連続で「生活」分野の1位を獲得している富山県は、その他の分野の順位の上昇に伴い前回の5位からランクアップしています。

また、首都である東京は3位に位置しています、過去全ての回で2位だったところから一つ順位を落としていますが、「基本指標」の分野と「文化」の分野では盤石な強さを誇っています。

一方で下位の方に注目して見ると、下位5県の内訳に変化はありませんでした。沖縄県は2012年に最下位であったところから順位を二つあげて45位となっています。異文化交流の進展などから「文化」の分野が上昇したことが理由であると言えそうです。

都道府県SDGs調査2020による幸福度ランキング

次に、株式会社ブランド総合研究所が発表している都道府県ランキングを見ていきます。

この調査では、各都道府県の住民に「あなたは幸せですか?」という設問に対し、「とても幸せ」「少し幸せ/どちらでもない」「あまり幸せではない」「あまり幸せではない」の四段階から選んでもらいました。そしてそれぞれの回答を100点、75点、50点、25点、0点として回答の平均点を算出したものを「幸福度」としています。

順位表は以下の通りです。

順位昨年順位都道府県幸福度(100点満点)
11宮崎県74
25沖縄県72.2
318大分県70.3
43福井県70.1
57石川県70
626鳥取県69.8
713京都府68.8
814富山県68.7
94熊本県68.6
1012香川県68.2
119鹿児島県68.2
1221山梨県67.8
1324高知県67.4
1438福岡県67.4
1515滋賀県67
1616岐阜県66.9
1720兵庫県66.9
1810島根県66.8
1925和歌山県66.6
2022長野県66.5
2128奈良県66.3
2237広島県66.1
2327愛媛県66.1
2446岩手県66
2535東京都65.9
2640群馬県65.7
2736栃木県65.7
2834長崎県65.6
2930埼玉県65.1
302徳島県65
3132茨城県65
3229北海道65
3331神奈川県64.9
3433静岡県64.9
3511大阪府64.5
368三重県64.4
376愛知県64
3823岡山県63.7
3941宮城県63.7
4039山形県63.6
4144山口県63.2
4219千葉県62.8
4343新潟県61.9
4445青森県61.8
4542福島県61.4
4617佐賀県61.3
4747秋田県61.1

1位は2年連続で宮崎県という結果になっています。

 宮崎県が連続で1位を獲得した理由としては、人間関係に関する悩みが少なかったことが考えられます。幸福度以外の悩みを持つか否かの調査によると、「不登校・ひきこもり」を悩みに持つ人の割合は42位(0.7%)、「家庭内暴力・DV・虐待・非行」は42位(0.2%)、「孤独」は44位(1.7%)、「パワハラ」47位(1.6%)となっています。

一方で悩みがないと答えた人の割合が多いわけではなく、むしろ悩みがないと答えた人の割合は11.6%と、都道府県で最下位となっています。

悩みの例としては金銭面です。「低収入・低賃金」を悩みに持つ人の割合は7位(41.5%)、「貯蓄・投資」は4位(28.7%)、「借金・ローン」(19.7%)ではなんと1位になるなど、経済的側面や金銭面での悩みを抱えている人が多いことがわかります。

また、「満足度」や「定住意欲度」の順位がそれほど高くないのも宮崎県の特徴です。満足度は23位、定住意欲度は28位という結果にとどまっています。宮崎県では、幸福度や愛着度といった感覚的なものへの評価は高い一方で、満足度や定住意欲度のような実体を伴うものへの評価は高くないということがわかります。

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続いて2位になった沖縄県についても詳しく見ていきます。沖縄県の幸福度は昨年69.4点から72.2点へ、順位は5位から2位に上昇しています。アンケートでは「とても幸せ」が昨年の28.9%から34.1%へと5ポイント以上も上昇しています。

沖縄県をめぐる背景としては、新型コロナウィルスによる外出自粛で大打撃を受けている観光業が真っ先に思い浮かびます。第3次産業の割合が84.2%と、全国平均の72.7%を大きく上回る沖縄では観光業低迷のダメージは大きく、「低収入・低賃金」に悩む人の割合は昨年の38.9%から48.3%へと大きく増えて全国1位となっています。このため、一見幸福度は減少するように思われます。

 その一方で、悩んでいる人の割合が激減したのが「渋滞・混雑」です。昨年は「渋滞・混雑」に悩んでいる人の割合が12.3%と全国1位だったのに対し、2020年は8.3%となり、順位も3位となっています。

沖縄県も宮崎県と同様経済的・金銭的な悩みは昨年以上に深刻化していますが、それよりも日常生活の大きなストレスだった渋滞や混雑がなくなり、交通をはじめとしてインフラに余裕が生まれたことが幸福度を押し上げる理由になっていると考えられます。

都道府県幸福度ランキングは測り方で異なる

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二つの組織が実施する二つの都道府県幸福度ランキングを紹介しました。

それぞれのランキングを比較すると、上位を占める都道府県が大きく異なっており、評価方法によって順位は大きく変動することがわかります。

また前年比のランキングとの比較で大きく順位が変動している側面もあり、指標の取り方によっては有意差を見出すのが難しいという側面も見られます。

本来の目的である地域課題を発見するということから考えると、幸福度の評価を単一で見て一喜一憂するのではなく、その裏にある課題を明確にできるように地域の幸福度を多角的に評価していくことが重要なのではないでしょうか。

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